不動産投資を始める際は、「個人事業主としておこなう」と「法人としておこなう」のどちらかを選択します。
法人化は手間がかかる反面、多くのメリットがあるので、ご自身にはどちらが向いているのかしっかりと考えることが大切です。
そこで今回は不動産投資をご検討中の方に向けて、法人化する方法やメリット、デメリットなどをご説明します。
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弊社へのお問い合わせはこちら不動産投資は法人化がおすすめ?①法人化する方法
不動産投資は個人事業主としておこなうほかに、会社を設立して「法人」としておこなう方法があります。
会社設立と聞くと難しいように感じるかもしれませんが、方法を理解していれば問題なく法人化することができます。
法人化する方法とは
法人化は、基本的に以下の方法でおこないます。
●必要な準備を整える
●公証役場で定款の認証を受ける
●法務局で会社設立登記の申請と会社印の登録をおこなう
法人化に必要な準備は、「必要事項を決める」「印鑑を作る」「必要書類を作成する」の3つです。
まず、必要事項は「社名・所在地・資本金・発起人・取締役」などを決めます。
所在地は自宅や登記に対応したレンタルオフィスなども設定できるので、事務所を借りる必要はありません。
資本金は事業をおこなう元手であり、1円から設定できます。
ただ、企業の規模や安定性などの目安になるものなので、数十万~数百万円のあいだで設定することが一般的です。
発起人には15歳以上の方を選び、会社を代表する取締役も1人以上決めておきましょう。
次に、印鑑は会社実印と会社銀行印の2本以上を作成します。
会社実印として使う印鑑は、印鑑登録も必要です。
会社実印は登記申請や高額な取引の際などに使うものなので、大切に保管しておきましょう。
そして必要書類は、会社の決まりなどをまとめた「定款」や会社設立登記に使う「登記申請書」、取締役の印鑑証明書などがあります。
会社設立登記にかかる登録免許税分の収入印紙や、資本金の振込を証明する書類なども必要なので、もれなく準備しておきましょう。
これらをそろえたら、先述した方法で法人を設立できます。
申請が受理されてから登記完了までは、1~2週間ほどです。
法人化に適したタイミングとは
不動産投資をする際は、始めから法人を設立することが可能です。
とくに、「一棟アパート投資で、物件を徐々に増やす予定」などのように大規模な不動産投資を計画している場合は、法人を設立してから始めると良いでしょう。
また、始めは個人事業主として不動産投資をおこない、あとから法人化することもできます。
あとから法人化する場合にタイミングを考える際は、税率を1つの目安にしましょう。
個人に課税される所得税と住民税は、不動産投資による収入が増えると法人の税率を超えることがあります。
そのため、法人の税率が個人よりも低くなるタイミングで法人化すると、税金を抑えることができて利益向上につながるでしょう。
不動産投資は法人化がおすすめ?②法人化すると得られるメリット
法人化には手間がかかりますが、個人事業主のままでいるよりもメリットを得られる可能性があります。
おもなメリットを4つ挙げて、それぞれご説明します。
法人化によって得られるメリット1:税金の負担が軽減する
法人に課税される法人税の税率の上限は、個人に課税される所得税よりも低く設定されています。
そのため、課税所得金額によっては、法人化したほうが税金の負担が軽減する可能性があります。
課税所得金額に対する税率は法人と個人で異なるので、どのくらいの金額で個人が法人を上回るか知りたいときは比較してみましょう。
法人化によって得られるメリット2:経費計上の範囲が広がる
さまざまな費用を経費に計上しやすくなることも、法人化によって得られるメリットです。
たとえば生命保険料は、個人だと所得控除限度額が設けられていますが、法人は全額を経費に計上できます。
また、個人の青色事業専従者が家族への給与の控除をする際はさまざまな制約がありますが、法人化すると役員報酬としての計上が可能です。
経費に計上できる費用が増えると課税所得金額を減らせるので、節税につながるでしょう。
法人化によって得られるメリット3:融資を受けやすくなる
法人化すると社会的信用が高くなるので、個人よりも融資の審査に通りやすくなると考えられます。
そして、実績を出すと融資額の増加や追加融資を受けられるようになり、さらなる事業拡大を目指せます。
個人が追加融資を受けることは難しいものですが、法人なら着実に不動産投資の規模を広げ、業績を伸ばすことができるでしょう。
法人化によって得られるメリット4:繰越損失の期間が長い
不動産投資が赤字になった場合、その損失をほかの所得と相殺することを「損益通算」と言います。
そして、その年度で損益通算しきれなかった分は、次年度以降に繰り越すことが可能です。
このことを「繰越損失」と言い、法人は最大で10年間繰り越すことができます。
一方、個人の青色申告者は最大で3年間しか繰り越せず、白色申告者の場合は損失を繰り越すことができません。
このように、長期にわたって損失を繰り越せることも、法人化によって得られるメリットです。
不動産投資は法人化がおすすめ?③法人化すると生じるデメリット
法人化するとさまざまなメリットを得ることができますが、デメリットに注意する必要もあります。
おもな3つのデメリットについて、それぞれご説明します。
デメリット1:手続きに手間がかかる
法人を設立する方法はそれほど難しいものではありませんが、個人事業主として開業する場合よりも煩雑です。
手続きを終えるまでの目安は1週間ほどですが、必要書類の作成などに手間取ると、さらに時間がかかるかもしれません。
司法書士に依頼する方法もありますが、その場合は費用がかかるので注意しましょう。
デメリット2:費用がかかる
法人化すると会計処理が複雑になるので、ご自身でおこなうことは難しいケースが多いでしょう。
そのため、経理代行を依頼したり税理士と顧問契約を結んだりする必要が生じ、費用が発生します。
会社の収益によっては、費用が大きな負担になってしまうかもしれません。
デメリット3:事業の規模によってはメリットを感じられない
先述のとおり、法人の設立には手間がかかり、設立後は費用がかかります。
そのため、不動産投資の規模が小さめだと、メリットを感じられない可能性があります。
メリットよりもデメリットのほうが大きいと思う場合は、法人化を見送ったほうが良いかもしれません。
ただ、不動産投資を始めたあとで法人化するときは、個人所有の物件を法人に売却することになります。
すると、不動産を取得した際に支払った不動産取得税や所有権移転登記などの登記費用を、法人としてもう一度支払うことになってしまいます。
ですから、いずれ法人化することを考えているのであれば、始めから法人を設立したほうが良いかもしれません。
法人化のメリットとデメリットをしっかりと把握して、ご自身に適したタイミングを検討しましょう。
まとめ
不動産投資を始めるときは、物件やローンだけではなく、個人と法人のどちらでおこなうかを決めることも必要です。
途中で法人化することは可能ですが、規模によっては始めから法人を設立したほうが良い可能性もあります。
法人化によるメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで、適切なタイミングを考えましょう。
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