賃貸物件の屋上は目につきにくい場所ですが、管理が欠かせない場所の一つとなっています。
管理不足により定期的な防水工事を怠ると、建物全体の劣化や入居者の生活環境の悪化を招いてしまうため注意が必要です。
この記事では、その賃貸物件の屋上防水工事が必要な理由や工事をおこなうタイミング、相場についてご紹介します。
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弊社へのお問い合わせはこちら賃貸物件の屋上防水工事が必要な理由とは
賃貸物件の屋上は、風や雨に常にさらされており、劣化が進みやすい場所です。
手を加えずに放置すると雨漏りが発生する原因になり、建物の安全性が失われる可能性があるため注意が必要です。
屋上防水工事の概要
屋上防水工事とは、文字通り建物の屋上に防水工事をおこなうことを指します。
この屋上の工事が必要な理由として、雨漏りの多くは建物の屋根や屋上から染み込んだ雨水が原因となっており、雨漏りを効果的に防止するためには防水工事が有効であることが挙げられます。
なお、賃貸物件の屋上は平らな陸屋根タイプとなっていることから、雨水が溜まりやすい構造です。
さらに、雨風にさらされている場所であるため、劣化が進みやすい環境となります。
屋上の劣化が進むと、ひび割れや水たまりができる可能性が高く、防水効果が落ちて雨漏りのリスクが高まることが考えられます。
そのため、貸主は雨漏りが発生しないように、メンテナンスとなる防水工事を行わなければいけません。
メンテナンスを怠り雨漏りが発生すると、建物内部の腐食やカビが発生する原因になり、入居者の生活環境の悪化を招いてしまうでしょう。
漏電の危険性も高まるため、防水工事は欠かせません。
賃貸物件は排水金具の劣化にも注意
賃貸物件では、ルーフドレンの劣化にも注意すると雨漏りの発生を抑えられます。
ルーフドレンとは雨水の排水をおこないつつ、落ち葉やゴミなどは排水せずに集める役割をもっている排水金具のことです。
このルーフドレンがサビると付属の金具に不具合が起きてしまい、雨漏りの発生原因になるため注意が必要です。
サビが起こる原因として、ルーフドレンに落ち葉やゴミが詰まって排水が滞ることが挙げられます。
雨水が流れずにルーフドレンの周囲にとどまることにより、本体のサビにつながります。
そのため、落ち葉などの飛来物が集まりやすい低層の物件は、詰まりが起きないように心がける必要があるでしょう。
コストを削減するためには?
防水工事にかかるコストを抑えるためには、定期的なメンテナンスが重要です。
一度に数十万円ほどの費用がかかることが考えられますが、メンテナンスをおこなわずに雨漏り被害が発生すると、それ以上の費用になる可能性が考えられます。
たとえば、雨漏りによって腐食が進み天井が崩落したり、室内の床や畳が傷んだりすると大掛かりな修繕が必要になります。
また、入居者の私物が破損した場合には、損害賠償などのトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
このように、大掛かりな修繕や余計なトラブルを招かないためにも、定期的なメンテナンスを心がけるとコストの削減につなげられます。
賃貸物件の屋上防水工事をするタイミング
一般的に防水工事は、大規模修繕の際におこなうことが多くなります。
しかし、下記のような状態が見られる場合には、大規模修繕を待たずに工事をおこなうことをおすすめします。
天井からの雨漏り
雨天時に天井から雨漏りする場合には、屋上の防水層が劣化していることが考えられるため、工事をおこないましょう。
この防水層とは、防水加工が施されている部分を指します。
防水層が劣化すると、ひび割れなどの破損が起きることや変色することがあり、建物内に雨水が侵入することを防げなくなります。
万が一頻繁に雨漏りをするようになると、天井が黒っぽく変色し始め、最終的には天井材が剥がれ落ちる可能性もあるでしょう。
雨漏りへの対処が遅れ被害が拡大すると、このように入居者の安全が確保されなくなります。
また建物全体の耐久性の低下を招き、資産価値が低下することも考えられるため、早めの防水工事が必要です。
雑草が生える
防水層にひび割れが起こると、そのひび割れた部分から雑草が生えることがあります。
雑草が根を張ると、防水層の内部を傷める原因になり、劣化が早まるため注意が必要です。
なお、雑草はひび割れ部分だけではなく、屋上の隅やタイルの継ぎ目の部分など、少しの隙間でも生えてくる可能性があります。
防水工事の際には、このような隙間に生えた雑草を除去したうえで、施工をする必要があるでしょう。
くぼみや防水シートの浮き
防水層にくぼみが起こると、排水機能がうまく働かなくなります。
水たまりができるようになり、細かい汚れにくわえて、落ち葉などの飛来物も溜まりやすくなるでしょう。
汚れや落ち葉が溜まると、雨水の流れが悪くなり排水が滞ることが考えられます。
結果的に長期間にわたって水たまりがある状態が続いてしまい、さらに劣化が進むため、早めの工事が必要です。
また防水シートが浮き上がってきた場合も、防水工事のタイミングの一つとなります。
この防水シートは、防水層として接着剤を用いて張り付けられているもので、施工から年数が経過すると密着性が弱まり浮いてくるケースがあります。
浮きが起こると、隙間に雨水が侵入し雨漏りや結露の発生を招くため、工事が必要になることを覚えておきましょう。
賃貸物件の屋上防水工事にかかる相場はどれくらい?
賃貸物件の屋上防水工事には、いくつかの方法があります。
それぞれ耐用年数や施工完了までの日数にくわえて相場が異なるため、予算やスケジュール、建物の特徴に合った工事を選びましょう。
ウレタン防水
もっとも一般的な防水工事として、ウレタン防水があります。
耐用年数は約10年で工期は2〜7日ほど、相場は1㎡あたり7,000円前後が目安になるでしょう。
ウレタン塗料によって防水を施すため、施工箇所が複雑な形状をしていても問題なく施工がおこなえます。
ただし、施工中に乾燥をさせる工程が必要となるため、工期が長い特徴があります。
シート防水
塩化ビニールシートなどの、シート状の素材を使用して防水をおこなう方法です。
耐用年数は約10〜15年で工期は1〜5日ほど、相場は1㎡あたり5,500円前後を目安にしてください。
シートを張り付ける工法になるため、施工が簡単で工期も短期間で済むメリットがありますが、凸凹した屋上には適しません。
また張り付ける方法ではなく機械固定工法で施工する場合は、ドリルの騒音と振動が発生するため、入居者に事前に周知しておく必要があるでしょう。
FRP防水
ガラス繊維とプラスチックが混ざった塗料を使用して、防水をおこなう方法です。
耐用年数は約10年で工期は1〜3日ほど、相場は1㎡あたり8,000円前後になります。
工期が短いことにくわえ、ウレタン防水と同じく塗料での防水となるため、施工箇所の形状を問わず使用が可能です。
ただし、伸縮性が低い素材のため面積が広い場所や木造などに使用すると、形状の変化に対応できない可能性が考えられます。
亀裂が入るケースもあるため、注意が必要です。
アスファルト防水
古くから防水施工に用いられている工法で、溶かしたアスファルトを張り付けて防水をおこないます。
耐用年数は約15〜25年で工期は1週間ほど、相場は1㎡あたり8,000円前後が目安です。
耐久性が高いことから、面積が広い場所などの、こまめなメンテナンスが難しい建物に適した工法となります。
注意点として、重量があるため木造などの重さに弱い建物には向いていません。
またアスファルトを溶かす際に、煙や強いにおいが広がるため近隣への配慮が欠かせないでしょう。
まとめ
雨漏りが発生した際や、屋上の防水層にひび割れや浮きが見られた際には、早めの防水工事をおこないましょう。
防水工事を怠ると、入居者の生活環境の悪化や建物全体の耐久性の低下を招くため注意が必要です。
早めの対応により大掛かりな修繕が不要になりコスト削減につなげられるため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
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